姜小青オフィシャル・サイト
大学生時代、中国政府派遣の芸術団の客員として初海外公演をした国はアメリカでした。今年の5月、古箏を最初に教えてくださった恩師の誘いで、アメリカサンフランシスコ古箏協会主催のコンサートに出演することになりました。19年ぶりにサンフランシスコにやってきて、十日間位の滞在でしたが見たことや感じたことなどは本当に一言ではうまく表現できません。
学生時代と違って、物事を見る視野が広くなったような気がしてとても楽しい十日間でした。でもアメリカと言ってもサンフランシスコの町にはこんなに沢山の華僑が住んでいることに驚きました。ある日、チャイナタウンで食事していたら、隣の円テーブルにひいお祖母ちゃんからお祖母ちゃん、息子家族と孫の4世帯の家族がいました。このような風景はあっちこっちでも見られ、お祖母ちゃんたちは勿論広東語しかできないと思われます。それを見てるとまるで中国の広州に来たような気がしました。
コンサートの日にNYからわざわざ駆け付けくれた従弟もサンフランシスコはまるでアメリカじゃないように見えたとか。やはり中国人が多いからでしょうね。もしかしたら西海岸のカリフォルニア州が特にそうなのかもしれません。中国文化以外にラテン文化、イタリア文化、日本文化など、エリアによりそれぞれの文化も尊重されているようです。
でももっと驚いたのは、華僑の社会では古箏を習う人が大変多いこと。後で、アメリカに移住した琵琶奏者の先輩たちから聞かされたのですが、古箏の生徒さんのほうが多く、上手な先生に習うにはキャンセル待ち状態ということでした。
サンフランシスコに着き、先生の家へ直行。練習中の生徒さんを見て弾かずに居られない私。即興参加。
小さなお子さんから大人まで皆が真剣。彼女たちを見て、自分の子供時代を思い出す。
サンフランシスコの現地中国語新聞社の取材を受け、記者会見後恩師劉先生と。
記者会見で三曲を披露。着いた三日目なので時差ぼけがひどく、必死に笑っていた。
チャイナタウンの前。門の上に「天下為公」とかいてある。これは孫文の言葉で「天下をもって公を為す」という意味。
サンフランシスコの象徴といえばゴールデン・ゲート・ブリッジ。全長約2.7Kmの長さがあって、鮮やかな朱色がとても美しく見えます。
19年前もゴールデン・ゲート・ブリッジ前でたくさんの写真を撮りました。でも、そのころと違って事物がよりあざやかにはっきりと見えて視野がひろがったように感じました。
ゴールデン・ゲート・ブリッジを超えて、カリフォルニア・ワインの9割以上の産地ナパへ向かう途中、サウサリートの町で案内してくれた友人たちと。
指を差しているのはサンフランシスコの町です。
ナパでワイナリーの見学をしました。おいしかったわ!
サンフランシスコの町は坂が多くて上ったり下ったり。歩いてみるとけっこう体力がいりますよ。
私の後ろにはサンフランシスコ名物のケーブルカー。とても乗りたかったけど時間が無かったのであきらめた。次の機会には絶対に乗りたい!
Sound of the Grasslandコンサートにはサンフランシスコ在住の古箏楽団の皆さんや日本から私と打楽器の馬平さん、和太鼓、日本舞踊、馬頭琴、そしてあのピアニストのジョージウィンストンさんも特別出演しました。
本番の日に9.11テロ事件に巻き込まれ、階段から脱出し、一命を取り戻った従弟と再会できたことも大変感無量な一時でした。
でも何といっても、アンコールの時に恩師との共演、感動の気持ちを今だに忘れられません。実は先生から聞くと子供頃の私はレッスンに入るまでずっと遊んでくれて、レッスンをする気になるまで大変だったとか。やはり古箏を習うのは両親の意志だったことは改めて確認できました。古箏の道を勧めてくれた両親に感謝感謝。
まぁ、それと今回のアメリカ公演には、もっと英語をしゃべるように勉強したいことをつくづく思うようになりましたが…!
それから、アメリカの中で2千人も入れる数少ない素晴しい教会の中で、とても落ち着いて演奏ができたことも大変に嬉しかった。
5月6日ゲネプロ。オープニングのリハーサル中。 カメラ撮影があるので衣装を着て。教会の中は意外と寒かった。
劉先生とアンコール曲のリハーサル中。さすがに先生の弟子、動作も一緒だわ。
5月7日本番当日。St.Ignatius Churchの横入口前。
あの9.11の時に47階から階段で脱出した従弟がわざわざNYから飛んで来てくれた。彼のこれからの人生がもっともっと幸せになるように・・・。
リハーサルの時、ジョージ・ウィンストンさんが国内ツアーから駆けつけてくれました。彼のCDをたくさん聴いていた私は本人に会えて嬉しかった。 オープニングで古箏を弾いた子供達。この格好を見るとまるで中国の雑伎団の団員のよう。
それにしても、彼の独特なステージ・スタイルには驚き!なんとこれが本番衣装です。ステージでは靴も脱いでしまいます。そして手に持っている袋からは次々と楽器が出てきます。
本番終了後。ジョージ・ウィンストンさんと。
後で劉先生から聞いたら、一部で私が弾いた『月の涙』に彼も涙が出そうになった、とおっしゃてたそうで、とても嬉しかった。
このように今回のコンサートの前にKTSFテレビのニュース番組に出演したり、記者会見を開いたり、結構忙しかった。時差惚けしながら、なんとか頑張りました。TV番組の様子と新聞記事のいくつかをご紹介します。